耳鼻咽喉科、アレルギー科

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突発性難聴

突発性難聴とはどんな病気?

突発性難聴は、

  1. 突然に発症する
  2. 原因不明
  3. 耳が聞こえにくくなる

という3つの特徴を持つ病気です。

音を感じる部分:内耳の蝸牛(かぎゅう)から、音を脳に伝える神経:聴神経(ちょうしんけい)にかけての難聴(:感音難聴の一種)です。
原因は、内耳や聴こえの神経への血流障害や、ウイルスの感染による障害、ストレスなどが考えられていますが、よくわかっていません。
症状としては、突然耳の聴こえが悪くなったり、耳がつまってふさがった様な感じになって発症します。その他の症状としては、耳鳴りや、約3割程度の人にめまい、吐き気、嘔吐を伴うことがあり、転倒や事故がないように、注意が必要です。

治療方法

突発性難聴は、1週間以内(特に3日以内)の早期治療を開始することが重要です。2週間程度変動することが多く、約一ヶ月で聞こえが完全に固定してしまう場合が多いです。治療効果には個人差があります。完治する方は3分の1、多少の改善がみられたが後遺症が残ってしまう方が3分の1、全く改善が得られない方が3分の1、とも言われています。
早期治療を開始した方、若い方、程度の軽い方が改善が得られやすく、治療が遅れた方、ご高齢の方、めまいを伴う方、糖尿病などをお持ちの方は、治りが悪いとも考えられています。
一日でも早く(出来れば発症3日以内、遅くとも1週間以内に)治療を開始すること、早期発見早期治療が重要です。

1.薬物治療

メインの薬は神経の栄養剤であるビタミンB12や神経を保護するための副腎皮質ホルモン(ステロイド)です。その他、循環改善剤、めまいのある方はめまい止めを使用することがあります。早期で軽症であれば飲み薬。時間がたっていたり、中等度以上の難聴の場合、入院の上点滴することをおすすめします。特に重度の難聴や、めまい、糖尿病などの合併症がある方は、治りが悪いことも考えられ、入院の上治療をする事が必要です。なお、入院が必要な方や、ご希望のある場合には、連携している病院(第二日赤・東部医療センターなど)をご紹介致します。

治りが悪かったら入院するというのは、それだけ治療が遅れてしまいます。入院の可否については、病院を受診後、担当医と直接ご相談いただく必要がありますが、後で後悔することのないよう、可能であれば早期の入院治療をおすすめします。

※ステロイドの副作用としては、胃の粘膜がただれる胃炎や胃潰瘍、血圧の上昇、糖尿病の悪化、顔のむくみ、免疫機能の低下による感染症、骨がもろくなっているご高齢の方の骨折などがあげられます。短期間の使用で、徐々に減量していくため、副作用が出ることはまれではありますが、ご理解・ご了解のもと薬の選択、ご使用をいただき、何か問題が生じた場合には、速やかに使用を中止し、担当医にご相談ください。

2.心身の安静

神経のダメージが進む1~2週間は疲れをとり、重労働や精神的ストレスが加わらないようにしましょう。

※神経性の難聴の方の中に、ごくまれに聴神経腫瘍の方が存在し、頭部のMRI検査で発見されることがあります。悪化を繰り返す方(:突発性難聴は再発のない病気とされています)、難治の方、ご心配な方、ご希望の方は、連携している病院をご紹介致します。