耳鼻咽喉科、アレルギー科

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メニエール病

メニエール病とはどんな病気?

難聴や耳鳴りなど耳の症状を伴った、グルグル回る回転性のめまい発作が、繰り返し起きる病気です。
耳の奥の内耳(鼓膜のずっと奥)はリンパ液で満たされており、このリンパ液の量が増えて水ぶくれ状態になることが原因です(これを内リンパ水腫といいます)。水ぶくれが起きる原因は、まだよくわかっていませんが、疲れ、睡眠不足、心配事など、肉体的・精神的ストレスが一因と考えられています。

主に片側の内耳が障害され、片側の難聴が起きますが、2~4割の方は左右両側に難聴が起きるといわれています。

症状

ぐるぐる回る、激しいめまいが特徴です。また、耳の聴こえが日によって変わり、めまいが起こる前に耳がつまってきたり、耳鳴りが起きることがあります。
吐き気や嘔吐、冷や汗などの自律神経症状を伴うことも多く、めまいは30分間から数時間続く場合があります。
めまいの起こる間隔は、毎日のように起きる人から、数週間から数年に一度の人まで様々です。めまいが軽い時は、ふわふわする感じ(浮遊感)、ふらつき感、物が流れる感じがします。

※めまいは、耳鼻科以外にも、脳(脳出血・脳こうそく)、心臓(血圧、不整脈)、血液(貧血)、眼(視力)、首(頸性めまい)、内分泌(糖尿病、甲状腺)など、様々な病気で起きることがあります。気になる症状があれば、他科の先生にもご相談ください。特に、意識がない、激しい頭痛、手足の麻痺:動かせない・感覚がない、ろれつが回らない:しゃべれない、見ている物が二つに見える、などの症状が出現した場合には、至急救急車で大きな病院への搬送が必要になることがあります。また、メニエール病と同じ症状で、聴神経腫瘍(ちょうしんけいしゅよう)の方がごくまれに存在し、頭部MRIで発見されることがあります。ご希望があれば、連携している病院(第二日赤・東部医療センターなど)をご紹介します。

治療方法

内耳の水ぶくれ(内リンパ水腫)を改善させるため、水の成分を引いてくる利尿剤(尿量を増やす薬)を使用します。また、神経の栄養剤であるビタミンB12や、血行を良くするための循環改善薬、めまいがあればめまい止めを使用します。(時に神経を保護するステロイドを使用することもあります。)

内服と点滴治療がありますが、めまいがひどく歩行が困難な方、嘔吐を繰り返す方は、入院して点滴を受けた方が良いと考え、連携している病院(第二日赤・東部医療センターなど)をご紹介します。また、夜間や休日などの時間外の場合には、救急病院への受診をおすすめします。難聴も早期治療が必要です。ご希望に応じて病院をご紹介します。ひどいめまいや難聴が落ち着いてからは、再発の防止や、聴力を維持するため、当院で飲み薬を長期間内服していただきます。

ご注意いただきたいこと

メニエール病は、めまい発作を繰り返したり、難聴や耳鳴りが悪化していくこともあります。過労や睡眠不足、ストレスがきっかけとなるケースが多いので、規則正しい生活を送り、疲れをとり、ストレスをためこまないようにしましょう。 (メニエール病は、きまじめな方や凡帳面な方に多いようです。)めまい発作が起きたら、すぐにしゃがむなどして転倒や事故のないようにしましょう。そしてなるべく早く耳鼻咽喉科を受診しましょう。